【夜の果てまで】


盛田 隆二 / 角川書店(2004/02)
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さてさて、久しぶりに小説を一冊読破。にしても、会社帰りの電車の中だけでしか読んでなかったから時間かかったなぁ。確かにちょっと厚めの小説とは言え1ヶ月以上かかるとはね。

で、カンソウなんぞ。
なんだか、自己犠牲的で、自己中心的で、純粋で、献身的で、思いやりがあって、etc...と、矛盾だらけのような感じもするし、とても素直に「人間」である気もする、そんな2人の話。「そんな2人」とは書いたけど、実は登場する全員に共通しているのかも知れない。色濃く出てたのはやっぱり主人公の2人だけど。

そして、巻末にある解説にも書かれていたけど、この小説での時間の並べ方。これも面白かった。最期まで読み切った時に、「この2人はこのあと・・・・」と分からせてくれる。それが、ひどく作為的な見せ方と感じることもなく、すごい自然な感じだった。

大学生の心理描写もとても共感できたし、正太の難しさ、翻っては素直さも、すごい作り込まれた描写なんだろうけど、嫌味なくすっと理解できたし共感できた。

2人はやはり離れることは出来なかった。そして、まわりもそれを止めることは出来なかった。それが、公に許されることではないとしても、周囲は黙認せざるを得なかった。そんな2人の奔放でありながら悩ましく、純粋で人間くさい話し。「夜の果てまで」このタイトルにはどんな意味が込められているんでしょうね。2人の向かおうとしているところなのか、それとも、周囲を黙認させるところまでを指しているのか、その両方なのか、それとももっと別のものなのか?

そして、これは単に恋愛小説ではなく「人生の岐路」っていうんですかね?それに対して大学生が苦悩する姿が多く描かれていました。選択。確かに毎日毎日、人は選択しながら生きてるんですが、大きな岐路というものに直面した時、自分にとって何が重要なのか?ついつい自分に置き換えて考えてしまいます。

人の人生を背負う。人に人生を預ける。そして、人と人生を共有する。どれも大変なことですよね。でも、これを見ていると、こんな2人でいられるなら、これらのことも良いなぁと思えます。そして、大きな人生の岐路で選択した結果がこんな形でいられるなら、ステキなことだなぁと思います。自分の大切なものをしっかり見つめる。大事だし、できそうで出来ないことですね。

見せ方も、書き方も、俺の中ではけっこう新鮮で楽しかったです。そして、自分の中の大切なものを見つめ直す良い機会でもあったと思います。

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