【そこにあるものの確認】
江國 香織 / 新潮社
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女性の人生の断面を描く
例えるならば箱庭
タイトルは秀逸
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女性の人生の断面を描く
例えるならば箱庭
タイトルは秀逸ってことで、久しぶりに江國作品でした。
ブクログのレビューにはあんまり良いものはなかったけど、たぶんこの作品で伝えたかった物がうまく感じ取れてもらえなかったんだろうなぁ。
短篇集なんですが、それぞれの主人公の心情が理解できるような、でも理解しがたいようなそんな内容。書かれているのは普通の人の普通の日常。ただ、あまりにリアルに、普通の人は自分で認めたくない人間のイヤな部分まで描かれてる。そして、何かが、何者かが「そこに確かに存在したということ」を記憶していている。
その時は気づいていないけど、そこに確かに存在していることを認めていた。存在を認めると言うことはいつかは、それが存在しなくなることを覚悟すること。それこそが号泣する準備。だから、人はいつも、いつの瞬間も号泣する準備をしている。そんな日常にある号泣する準備の体験をつづった短篇集。
何とも言えない後味でした。でも、みんな感じてること、考えてることなんだと思う。
そこにある何かは変化したりするけど、記憶の中にあるその時の感情は変化しない。そして、記憶の中にあるから変化していないその一時点の感情と、変化してしまった現在の何かを比べてしまう。そのギャップが、何とも言えない気持ちにさせます。何だろう?どう表現すればいいんだろう?
感情は変化する。今の感情で変化した何かを見ると大したことがないのかも知れない(あるいは)けど、振り返る記憶の中では、いつもその時の感情のまま。その乖離が誘う感情。それってやっぱり人間だってことなんだろうなぁ。

